今日のファッション記事 issue2

【アリババ追うJDドットコム1~6月期は大幅赤字 革新への投資惜しみなく】

 中国の大手EC企業、JDドットコム(JD.com)は、未来型の小売り形態の実現に向け、長期的成長を見据えてテクノロジー、流通インフラ、研究開発に投資しています。子会社のJDファイナンス(JD FINANCE)、JDロジスティクス(JD LOGISTICS)に続き、今上半期は物流資産管理会社を設立。自社ECサイト「JDモール(JD MALL)」の運営インフラとサービス向上にテコ入れしています。また、ジャンウェン・リャオ(Jianwen Liao)最高戦略責任者は「(前略)もはや品ぞろえと品質ではなく、誰に何を売るべきかの最適化が重要だ」と語り、ラグジュアリーブランド専用ECサイト「トップライフ(TOPLIFE)」を運営、強化しています。

 

 中国のEC市場で圧倒的首位を獲得するアリババは、アマゾン(米国)も追随を許さない状況です。そこで業界2位のJDドットコムは、「テクノロジー改革」・「物流資産管理会社の設立」・「富裕層向けサービス」という手段で対抗します。アリババが運営するティーモール(Tmall)は、傘下にアパレルブランドを持つなど非常にファッション部門にも注力している印象です。以前、私自身もスタイリングの仕事で関わったことがあります。肌に優しい素材にこだわっているそうで、PRの方が熱弁していたのが印象的でした。さらに、これらを低価格で実現している点が驚きで、日本人である私の意見を参考に今後のマーケティングに繋げていきたいとのことでした。一方、JDドットコムは高級志向の顧客に向けたトップライフにて、バレンシアガ(BALENCIAGA)」・「サンローラン(SAINTAURENT)」などを展開しています。同業他社としては、ネタポルテ(NET A PORTER)やモーダオペランディ(MODA OPERANDI)などが挙げられ、それぞれ、本格的なファッション誌の発行やコレクション後に即購入できるシステムなど、様々な差別化を行っています。そのため、今後JDドットコムがどんな施策を講ずるのか目が離せません。

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